犬のしつけにオヤツを使っていいのか!?
- 犬にオヤツはいらない!
- オヤツが犬の健康を害している!
犬の生活やしつけの情報を調べていると「オヤツ不要説」が多いです。
確かに、本来は犬にオヤツは必要ありません。また、飼い主によるオヤツの与え過ぎが、肥満や肝臓・腎臓の疾患につながっていることも事実です。そういう背景もあり、獣医関係者を中心に「オヤツ不要説」が多いのでしょう。
また、オヤツ不要説の中には、犬のしつけや留守番にもオヤツは必要ないという声もあります。犬のしつけにオヤツを使うとどんな不具合があるのでしょうか?
今回は、犬のしつけとオヤツについて、オヤツのメリット・デメリットも含めてくわしくご紹介します。
犬のしつけにオヤツは使ってもいい
結論から言うと、犬のしつけや留守番にオヤツは使っても構いません。
オヤツを使っても主従関係は崩れない
しつけや留守番にオヤツはダメという意見の背景には、オヤツを使うと飼い主と犬との主従関係が崩れるという理論があります。
犬は、飼い主が「ヨシヨシ」とするだけで満足感を得られるので、
- 良いこと・しつけを覚えさせるときは「ヨシヨシ」
- 悪いことをしたときはキツめに叱る
これだけで十分でオヤツはいらないという意見です。
確かに、それは犬のしつけにおける理想なのですが、ハッキリ言って「ヨシヨシ」だけで完全にしつけを覚えさせるのは不可能です。少なくとも、私たち素人には無理な話です。
私は小さい頃から犬を何頭も育てていますが、オヤツによるしつけで主従関係が崩れることはありません。オヤツをやらないから言うことを聞かないなんてこともないし、むやみやたらに「オヤツをくれ!」とせがむこともありません。
全ては、オヤツをあげるメリハリです。
しつけ・留守番のときだけあげる
犬は食べ物に関しては非常に頭のいい動物です。
どういうタイミングで、どういうキッカケでオヤツがもらえるのか、1回で覚えてしまいます。私たちが何気なく発するキーワード(オヤツ・ごはん等)も敏感に察知します。
犬がオヤツをせがむのは、飼い主がどんなときでもついあげてしまうからです。
- 人間が食事をしているとき
- 料理をしているとき
こういうときにあげてしまうと、次回から、私たちが食事をしているとき・料理をしているときにせがむようになります。
基本的に、犬にはオヤツも人間の食べ物も与えない。これが原則です。
この原則を守った上で、しつけや留守番のときのみにオヤツを与えれば、抜群の効果を発揮します。犬は「言われたとおりに動けばオヤツがもらえる、留守番するためにケージに入ればオヤツがもらえる」と覚えます。
オヤツをあげる機会を限定して、しつけや留守番をするときにあげれば、主従関係が崩れて犬からせがむことはありません。
オヤツがしつけや留守番に使えるかどうかは、全ては人間(飼い主)次第なんです。
オヤツの与え過ぎによるデメリット
とはいえ、獣医関係者がオヤツに眉をひそめる気持ちもわかります。
「犬がかわいそうだから」「せがむから」という理由で、犬に必要以上にオヤツを与える飼い主が多いからです。そして、オヤツの与え過ぎによって体を壊す犬をたくさん見ているからでしょう。
しつけや留守番など、本来は有効活用できる「オヤツ」を、だらしのない一部の飼い主のためには、保守的に「オヤツはダメ」と言うしかありません。
オヤツはしつけに有効に使えるものですが、オヤツの与え過ぎによるデメリット(悪影響)もしっかりと知った上で与えるようにしましょう。
肥満の原因
一般的に販売されているオヤツは、美味しさを重視するため、栄養バランスがよくありません。常用ではなく、一時的にちょっとだけあげるために作られているからです。
そのため、オヤツをしつけのとき以外に与えだすと
- オヤツの方が美味しいのでドッグフードをあまり食べない
- ドッグフードを食べないからオヤツや人間の食べ物を与えてしまう
- 肥満(太りすぎ)になる
といった流れになってしまいます。
肥満は、内臓系の病気や関節・骨の疾患のもとです。
肝臓障害やアレルギーの原因
乾燥した保存食であるドッグフードとは違い、オヤツはソフトな食感・美味しいと感じるニオイを際立たせています。
そのため、市販のオヤツには、着色料・保存料・香料などの添加物が使われていることが多いです。添加物が使われていなくても、美味しさを重視するため、脂質(脂肪)が極端に多くなっていたりします。
たまにちょっとだけあげるのであれば問題にはなりませんが、それが常用になってしまうと、そういった成分を分解するために肝臓に負担がかかります。また、犬の体がアレルギー物質の許容量を超えてしまって、アレルギー反応を引き起こすキッカケにもなってしまいます。
消化不良の原因
ビスケット・ジャーキーなど、オヤツの定番となるものは、消化によくないものがほとんどです。
これ自体もたまにあげるちょっとの量なら問題になりませんが、1日のうちで頻繁にあげたり、ドッグフードのように常用になってしまうと、胃腸に負担がかかります。
常に消化不良でケフケフしたり、便秘などの原因にもなります。また胃腸の負担は寿命を縮めます。つまり病気じゃないのに短命になるということです。

オヤツの与え過ぎは確実に犬の寿命を縮めます。本来であれば栄養バランスの整ったドッグフードだけで十分ということをしっかり理解しましょう。
犬のオヤツで守るべきこと
犬におやつを与える上で、絶対に守ってほしい(理解してほしい)ことです。
- しつけや留守番にオヤツをつかっても良い
- オヤツをあげるケースは限定する
- 常用に作られていないので栄養バランスが悪い
- オヤツのあげすぎは肥満・病気・疾患のもと
- 犬の健康は普段の食事(ドッグフード)から
オヤツが絶対にダメなわけではありません。
ですが、オヤツのデメリットを知って、節度を守ってやることは必須です。
また、オヤツ以上に大切な普段の食事(ドッグフード)にもしっかりこだわってほしいです。いくらオヤツを与えてなくても、健康に害のある食材を使ったドッグフードを与えていたら、病気やケガのリスクは高くなってしまいます。

ドッグフードに使ってほしくない食材の危険性や、安全安心で栄養バランスの整ったドッグフードについては以下のページでまとめてあります。ぜひオヤツと一緒にドッグフードの理解も深めてください。
参考ドッグフードに含まれる危険な食材や添加物とは?
参考安心安全で栄養バランスに優れたおすすめドッグフード一覧
ぜひ今回まとめた内容をご参考に、うまくオヤツを利用してワンちゃんとの良質な関係を築いてください。