【ドッグフードの選び方】チェックしたい重要な10個のポイント
ドッグフードについて、最初に少し衝撃的なことをお伝えします。
それは「一般のペットショップやホームセンターで販売されているドッグフードのほとんどが、安全性や健康上の条件を満たしていない」ということです。
この一言だけとると、異論・反論が数多くありそうです。異論や反論があるのは私も認めます。それほど動物にとって「食べ物」というのは奥が深く、研究が進んでいても確実な正解がないからです。
ですが、これから順を追ってお伝えすることをご理解いただければ、最初に言った「安全性や健康上の条件を満たしていない」という意見も理解していただけると思っています。そして、なぜ私がこれほどまでドッグフード選びにこだわっているかもわかっていただけると思っています。
飼い主さんにとって大切なワンちゃん、ただのペットではない人生のパートナーとして、いつまでも健康で長く生きて欲しいというのは誰しも思うことです。だからこそ、毎日食べるドッグフードについては、ご自分でさまざまな情報に触れて、飼い主さんが最適と思うものを判断して欲しいです。
ドッグフードを選ぶときの重要ポイント

- AAFCO(米国飼料検査官協会)の成犬用給与基準をクリアしていること
- BHA、BHT、エトキシキンを使ってないこと
- 合成調味料、着色料、着香料、防カビ剤を使ってないこと
- 原材料のパーセンテージ(%)が明記されていること
- 成分分析値(タンパク質が何%等)が明記されていること
- 小麦、とうもろこしを使ってないこと
- 食肉の種類(鶏、サーモン等)が明記されていること
- 原産国が明記されていること
- 塩(塩化ナトリウム)を使ってないこと
- 動物性の脂肪を過剰に注入していないこと
AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準をクリアしていること
AAFCOとは栄養基準の指針を提供する団体のことで、毎年、犬の健康に必要な栄養素・栄養バランスの目安を発表しています。AAFCOの基準をクリアしているドッグフードを「プレミアムフード」と呼ぶこともあります。
AAFCOは指針であり、それをクリアしていれば必ず安全であるとは限りませんが、一定の評価にはなります。AAFCOを満たしていないドッグフードはお話になりません。
なお、AAFCOは評価団体や試験団体ではありません。「AAFCO合格」や「AAFCO承認」という表記は逆に不当表示(誇張表示)になり信頼してはいけません。
BHA、BHT、エトキシキンを使ってないこと
発癌性のある成分ですが、ドッグフードにはしばしば使われています。これらが入っているドッグフードは絶対に選んではいけません。
合成調味料、着色料、着香料、防カビ剤は本来ドッグフードには必要のない成分です。もちろん健康に問題ない成分もありますが、できれば配合されていない方が好ましいです。
原材料のパーセンテージが明記してある
一言で「食肉」といっても何が入っているのかわかりません。いわゆる「4Dミート」と呼ばれる廃棄されるはずの肉が入っていることもあります。
そのため、生チキン肉25%、生サーモン25%など原材料のパーセンテージまで表示されていることが望ましいです。
成分分析値が明記されている
ドッグフードというと、原材料に注目がいきがちですが、タンパク質・炭水化物・脂肪などの成分の割合が非常に重要です。原材料が良くても栄養バランスが悪ければ、結局犬の成長や健康には良くありません。
- 成分分析値が明記されていること
- タンパク質が一番多く、脂肪・炭水化物が同じくらいの割合であること
- タンパク質:脂肪:炭水化物が3:1:1になっていること
上記が理想の成分バランスです。
詳細犬の健康に必要な栄養バランスの詳細はコチラ
小麦・とうもろこしを使ってないこと
穀物から摂取できる炭水化物は必要な栄養素ですが、小麦・とうもろこしは良くありません。犬にとっては苦手な食べ物で、消化不良や胃腸の機能低下などを引き起こします。
1回の食事では体調は変わりませんが、長く毎日続けることで負担は蓄積されていきます。小麦・とうもろこし不使用のグレインフリーフードが望ましいです。
原産国が明記されている
原産国が明記されていることが大前提です。
但し、後述しますが、原産国や販売国が日本だからといって安全とは限りません。「日本の食は安全」というのは人間の食に対してのみ有効であり、ペットの食に関しては日本はまだまだ後進国です。
原産国として望ましいのは、ペット先進国であるイギリス・ドイツ・アメリカです。
塩・動物性の脂肪の注入
塩(塩分)や動物性の脂肪の注入は、安価で食いつきを良くするための施策ですが、犬の健康には良くありません。食べ続けると、重度の腎障害・肝障害になる可能性があります。
上に書いたポイントを満たすドッグフードは、ペットショップやホームセンターで販売されているフードの中にはほとんど無いのが現状です。ペットの健康についての認識は高まってきましたが、国際的に見ると日本はまだまだペットの健康については後進国なんです。
上記を満たす「本当の意味で安心安全・健康に良いドッグフード」は、ペット先進国であるイギリス・ドイツなどが原産であるドッグフードしかありません。
以下のページでは、ペット先進国であるイギリスのプレミアムフードについてまとめてあります。ぜひ、ご自分の目で商品や成分の詳細を確認してみてください。
安全安心・健康の条件を満たすドッグフードの一覧と詳細はコチラ
ドッグフードの理想と現実
さて、ここまで少し厳しいことを言ってきました。
まとめると
- 理想のドッグフードは日本のショップでは買えない
- 本当に安全安心・健康に良いドッグフードはペット先進国が原産のフードをインターネットで買うしかない
ということです。
私がおすすめするドッグフードをゴリ押ししたいわけではなく、栄養素・成分バランス・国際基準クリアを考えるとそれしかないというのが現実です。
何度も言いますが、日本はペットの食に関してはまだまだ後進国です。おやつやおもちゃに犬には大変有毒な「キシリトール」が平気で使われるくらいですから。日本の食が安全なのは人間に限ったことです。
参考犬が食べてはいけない物の危険性と症状は?
ただし、ペット先進国のプレミアムフードを食べれば絶対に病気にならないかと言われればそれは違います。また、ペットショップやホームセンターで販売されているドッグフードを食べると必ず病気になるかと言われればそれも違います。
病気の可能性をできるだけ低くすること
「うちの犬は人間が食べた残飯でも15年以上健康で生きた」なんて話はよく聞きます。それはひとつの事実です。そのため、安いドッグフードを食べたからといって長生きできないわけではありません。
人間と同じように、犬にも元々体の強い犬・弱い犬、病気になりやすい犬・病気になりにくい犬がいます。犬種の違いだけでなく、同じ犬種でも個体差は大きいです。質の良いプレミアムフードを食べさせていても、不幸にも病気になってしまう場合はあります。
ですが、質の良いプレミアムフードを食べさせることで、犬が健康的に育つ可能性は高くなります。そしてフードによる病気の可能性をできるだけ低くできます。
犬は自分でドッグフードを選ぶことができません。
飼い主に与えられた食事を食べるしかありません。
犬が自分で健康を管理できない以上、飼い主である私たちが、できるだけ健康に良い・病気の可能性を低くできるドッグフードを選んであげるのが務めであり、それができるのが原材料・栄養バランスにこだわったプレミアムフードだということです。
最終的にはプレミアムフードの方がお得
とは言え、飼い主さんにも経済的な事情があります。プレミアムフードは一般的なレギュラーフードに比べて値段が高いので、買いたくても買えないという現実もわかります。
ドッグフード選びに絶対の正解はありません。
私は自分の経験から、トップページでご紹介するプレミアムフードが良いとすすめていますが、最終的には飼い主さんの判断です。経済的にまかなえる範囲で一番良さそうなドッグフードを選ぶというのも一つの正解です。
ただし私は、ドッグフードが高くても、それによって健康に過ごせて動物病院(獣医)のお世話になる回数が減るのなら、その方が経済的にもお得であると考えています。もちろん何度も言うように、プレミアムフードを食べさせれば必ず健康に過ごせるわけではありませんが、病院でちょっとの治療をするだけでもプレミアムフード以上のお金がかかってしまいますからバカにはできません。
後になって後悔しない選択をして欲しい
どんな生き物でも最後は必ず死にます。病気なのか寿命なのかはその時になってみないとわかりませんが、それは犬も同じです。
私は、子供の頃に犬(ポメラニアン)を飼っていた経験があり、愛犬の死の間際も経験しています。小学生の頃に飼い始め、中学・高校・大学・社会人と、文字通り一緒に成長したパートナーでした。
愛犬が死んだ後に「もっと可愛がってあげればよかった」「優しく触れてやればよかった」としばらく後悔したものです。部屋に愛犬の毛が落ちていれば、それを見て涙したものでした。
私はその経験から、今飼っている犬(チワワ)については、できるだけ後悔しない選択をしようと決めて接しています。もちろん、どんな選択をしても全く後悔しないことはないと思いますが、その後悔を少しでも減らすために最大限できることはしたいと考えています。
「ドッグフード選びで大げさな」と思うかもしれませんが、ドッグフードは犬が毎日食べるものです。そして犬は人間と同じく、食べ物でしかエネルギーを摂取できません。健康の維持は食事の質にかかってます。
生命を維持するためのエネルギーとなるドッグフード、その質にこだわるためなら自分の生活を節約してでも犬の健康のために尽くしたいと考えています。そしてそれが、生き物を飼う人間の務めであるとも考えています。
あなたが今飼っている犬との出会いは1回だけで、2度目はありません。
あなたが犬を飼い始めたときなら、まだまだ死ぬことなんて考えられないかもしれませんが、犬の健康のため・幸せのため、そして犬を見送ったときに「大事にしてあげられた」と思えるように、最大の配慮をしてあげてください。
ドッグフード選びは、飼い主が最も努力できる部分であると私は思います。